得意先債権の焦げ付きに備えて
2010年10月19日更新
円高が急激に進み株価も低迷しているなど、経済状況は厳しい状況が続いている。取引先が突然倒産し、予定していた債権を回収できなくなってしまうことも考えられる状況だ。このような中、関心が高まりつつある制度が中小企業倒産防止共済制度(通称:経営セーフティ共済)である。
この制度は、一定の加入要件を満たす中小企業者の方が、毎月一定の掛け金を積立てることで、取引先の倒産により、その売掛債権の回収が困難となった場合に、無利子、無担保、無保証の共済金貸付を受けることができる制度である。
この共済の掛金は、毎月5,000円から80,000円の範囲で選択できる。税法上の取扱いは、その全額が損金となる。貸付限度額は、掛金総額の10倍の範囲内(最高3,200万円)でその売掛債権の金額以内となっている。
共済契約を解約するとき、掛金は納付月数が12ヶ月以上の場合、解約手当金として払い戻される。ただし、月数が12ヶ月分未満の場合は支払われない。掛金を40ヶ月以上にわたり納付した場合、その掛金総額の全額が戻される。
現在、貸付限度額の引上げ(3,200万円→8,000万円(予定))や貸付の償還期間の延長(最長5年→10年(予定))などの見直しが図られている。改正の動向には注意が必要だ。