震災による災害損失の会計的な対応は?
2011年4月5日更新
東北地方太平洋沖地震から25日が経った。まだまだ災害損失の把握もままならないという企業も少なくない。しかし、今後決算を迎えるにあたって、災害損失を把握し、決算に反映させていくという作業は不可避となる。では、具体的にどのような会計的対応が必要となるのであろうか。
この点について網羅的にとりまとめたのが、日本公認会計士協会が3月30日に公表した会長通牒「東北地方太平洋沖地震による災害に関する監査対応について」だ。これは、東北地方太平洋沖地震が企業にもたらした災害に関する会計処理及び監査上の留意事項を取りまとめたもの。災害発生前に決算日を迎えた企業と災害発生後に決算日を迎えた企業に場合分けし、災害発生後に決算日を迎えた企業における災害損失の会計処理に関する留意点や科目表示・注記内容等がとりまとめられている。災害発生後に決算日を迎えた企業であれば、開示後発事象として取り扱われることとなる。
なお、会長通牒である以上、特段目新しい基準や解釈が含まれている訳ではなく、従来の会計実務の枠の範囲内での考え方を整理したものという位置づけとなる。上場会社に限らず、非上場会社でも参考となるものといえ、必見といえる。