社外取締役が業務を執行していませんか
2013年5月17日更新
社外取締役を選任する企業が増えている。日本取締役協会の調査では2013年5月現在、東証一部上場企業1,712社のうち社外取締役を選任している企業数は963社。2011年は857社、2012年は908社であっただけに、右肩上がりで増えているといよう。
コーポレート・ガバナンスの充実、独立役員の確保、社外取締役の知見の有効活用、不祥事の対応策等、社外取締役を選任する理由・期待される役割は様々であるが、1点注意したい点がある。それは、社外取締役の「業務執行」は会社法上禁止されている(会社法2条十五号)という点だ。
この「業務執行」に当たるのか当たらないのかについて議論があるのが、社外取締役による「口利き」や「斡旋」である。社外取締役には、かつて権威ある役職についていた人物や業界内で幅広い人脈を有する人物が選任されるケースが少なくない。そのような人物を社外取締役に迎えるにあたり、企業側では、その人の持つ人的ネットワークの活用(口利きや斡旋)を期待しているケースが多い。しかし、こうした口利きや斡旋が業務執行に当たる恐れがある。
この点、口利きや斡旋は業務執行に当たらないとする見解が一般的ではある。しかし、あまり度が過ぎると業務執行に当たると判断される可能性もあるだけに、注意が必要だ。
情報提供:日本IPO実務検定協会
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