来年4月からの消費税率引上げは「景気の好転」が前提となっているが、最近の明るい経済指標を見ると、予定通り消費税率引上げが実現する可能性が高そうだ。
17年ぶり、しかも2段階となる今回の消費税率引上げでは、価格表示についていくつかの規制や配慮が設けられている。 まず、消費税率の確実な転嫁を促すため、次のような表示は法律で禁止されているので注意する必要がある。
(1)取引の相手方に消費税を転嫁していない旨の表示
Ex. 消費税は転嫁しません
Ex. 消費税は当店が負担しています
(2)取引の相手方が負担すべき消費税を価格から減ずる旨の表示で、消費税との関連を明示しているもの
Ex. 消費税率上昇分値引きします
(3)消費税に関連して取引の相手方に経済上の利益を提供する旨の表示
Ex. 消費税相当分、次回の購入に利用できるポイントを付与します
また、平成16年から商品の価格は消費税込みで表示(総額表示)することが求められているが、今回の消費税率引上げは2段階で行われることから(平成26年4月に8%、27年10月に10%)、値札の付替え作業などの事務負担軽減するため、「現に表示する価格が税込価格であると誤認されないための措置(Ex. レジや棚に消費税の換算表や主要な製品の税込価格を掲げるなど)」を講じているときに限り、今年10月1日から平成29年3月31日まで「税抜表示」を認めることにしている。これにより、消費税率の引上げのたびに値札を変える必要はなくなるというわけだ。小売業者などにあっては、10月からの値札の変更も検討すべきだろう。
なお、今月7月には、これら表示の是正、価格の表示に関して「ガイドライン」が公表される予定になっている。また、日本商工会議所ホームページに掲載されている小冊子「消費税の転嫁対策特別措置法 5つのポイント」もわかりやすいので参考にしよう。