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昼休みを取らない代わりに早上がりは可能か
2014年05月10日更新

 例えば「始業時刻:午前9時、終業時刻:午後6時、休憩:正午~午後1時(60分)」という会社において、従業員から「昼休みも休憩を取らずに仕事をするので午後5時に退社したい」という申し出があったら、会社(上司)はそれを認めなければならないのだろうか。

 このケースでは1日の労働時間は同じ8時間なので、その申し出を認めるべき、と考える向きもあろうが、これは、認めるべきでない。「認めなくて良い」ではなくて、「認めてはいけない」のだ。と言うのも、労働基準法第34条は「休憩時間を労働時間の“途中”に与えなければならない」と定めているからだ。同じ労働基準法でも、第67条に定める「育児時間」は必ずしも労働時間の途中に与えなくても良いこととされているが、それとは趣旨が異なるので、混同しないように注意したい。

 では、もしこれが、「昼休みを15分短縮するのでその代わり午後5時45分に退社したい」という申し出であったら、どうだろうか。

 この場合は、労働基準法の定めは「6時間を超える場合においては少なくとも45分、8時間を“超える”場合においては少なくとも1時間の休憩時間」となっているので、45分の休憩が確保できている限り、その申し出を認めることは差し支えない。無論、認めなければならないわけでもないので、会社の方針や業務の状況等を考慮して判断すれば良い。ただ、認めても認めなくても、それが“前例”になってしまうことは承知しておくべきだが。

 ちなみに、法文上、休憩時間は分割して与えても良いものと解釈されている。しかし、あまりに細切れになってしまうのは、「心身の疲労を回復させる」という休憩の趣旨に反し、また、食事もとれないほどの時間では従業員が納得するとは思えない。せっかくなら、効果的に休憩を取らせるのが、会社にとっても得策と言えるだろう。

(情報提供:社会保険労務士 神田 一樹)
情報提供:上場.com

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