厚生労働省は、このたび『高度外国人材活用のための実践マニュアル~活用・定着で悩んでいる方へ~』を公表した。これは、企業における高度外国人材活用促進のための参考資料として、その活用の現状と課題や本人のニーズ等をまとめたものだ。なお、この「高度外国人材」とは、「日本企業に雇用される外国人であって、大学・大学院(国内外を問わない)以上の最終学歴を有する者」を言い、職種でみると、研究者やエンジニア等の専門職、海外進出等を担当する営業職、法務・会計等の専門職、経営に関わる役員や管理職等が該当する。
『マニュアル』は、「1 高度外国人材活用のメリット」、「2 高度外国人材のタイプとその特徴」、「3 活用・定着に向けてのポイント」、「4 Q&Aによるチェックリスト」、「5 参考情報」の5部構成になっている。中でも第3部では、高度外国人材の採用や配置の際に配慮すべき事項、日々の業務における対応、自社の将来の中核人材として育成するためのポイント等を、具体的な事例を盛り込んで、詳しく解説している。また、第4部のチェックリストは、「活用・定着の基本チェックリスト」と「生活面に対するチェックリスト」からなり、自社の雇用施策を再確認するツールとして使いやすく作られている。
もっとも、このマニュアルで示唆されている事項、例えば「予め求める人材像(新卒人材か即戦力か、どの程度の日本語能力が必要か等)を設定しておく」、「自社の経営方針に対する理解、採用後の処遇について充分に説明する」、「その人の持つ専門性や技術、能力を最大限発揮させるために、戦略的な人事配置を行う」といったことは、外国人に限らず、日本人の雇用管理におきかえても通用する重要ポイントと言える。マニュアルは全編でも44ページほどの手頃な分量なので、現時点では外国人を雇用する予定の無い会社の人事担当者も、参考のために読んでおくと良いだろう。
【参考】厚生労働省サイト > 高度外国人材活用のための実践マニュアル(PDF:2.86KB)
(情報提供:社会保険労務士 神田 一樹)
情報提供:上場.com