会社法改正やコーポレートガバナンス・コードの制定見込みを受け、社外取締役を選任する上場企業数が急ピッチで増えている。実際に、この7月現在で東証一部上場会社に占める社外取締役選任会社の割合は7割(74.3%)を超えたことが、東証の調査で判明している。前年は6割(62.3%)であり、概ね1割(12.0%)上昇した格好だ。2012年の調査の際は55.4%に過ぎなかったことから、この2年の間に急ピッチで社外取締役の選任が進んだことになる。ちなみに、社外取締役を複数名選任している東証一部上場会社は34.3%となっており、3社に1社の割合で複数の社外取締役を選任していることになる。社外取締役未選任の会社や1名しか選任していない会社にとっては、複数選任が今後の目標になってこよう。
今回の改正は、「企業内容等の開示に関する内閣府令」)及び「財務諸表等の監査証明に関する内閣府令」が改正され、会社が初めて提出する有価証券届出書又は有価証券報告書に含まれる指定国際会計基準に準拠して作成した連結財務諸表等に係る監査報告書の取扱いが新設された(監査証明府令第4条第2項)ことに対応するため、所要の見直しを行ったもの。IPO時等に初めて提出される有価証券届出書等に記載される財務諸表について、日本基準を使うのか、あるいは指定国際会計基準を使うのか、後者の場合の比較情報に関する監査意見の表明方式として、比較財務諸表方式とするのか、対応数値方式とするのかにより異なってくる監査報告書の文例案が示されている。
なお、東証一部上場会社のうち独立社外取締役を選任する会社は6割(61.4%)となっており、こちらは前年比14.5%となっている。
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(情報提供:日本IPO実務検定協会)
情報提供:上場.com