日本証券業協会は2月 27日、自主規制規則案を公表した。これは、グリーンシート銘柄制度に代わる非上場株式の取引制度「株主コミュニティ制度」を導入するための自主規制規則案。株主コミュニティ制度とは非上場株式の売買を行うために導入される仕組みである。株主コミュニティに関する規則では、審査、反社会的勢力排除、株主コミュニティ銘柄に関する情報の公表や取得・提供、契約締結前交付書面、店頭取引等の規定が盛り込まれている。株主コミュニティ銘柄はいわゆる店頭取引で売買されることから、株主コミュニティの参加者間または参加者と運営会員(証券会社)との間で行う。非上場株式の売買という意味ではグリーンシートに近いものの、株主コミュニティに参加しなければ売買に参加できないことや、証券会社が株主コミュニティへの参加・脱退手続及び参加に関して勧誘を行うことは禁止されている(投資者が勧誘なしに参加することはOK)等の違いがある。
一方、グリーンシート銘柄制度は、経過措置を経て平成30年3月31日限りで廃止する案になっている。なお、フェニックス銘柄制度については、別途検討するとしている。
また、日本証券業協会は3月17日に「グリーンシート銘柄の新規指定に関する考え方について」を公表し、経過措置期間は、円滑に制度廃止に向かうための対応を行うための期間である以上、「グリーンシート銘柄及びその取扱会員等としての新規指定を行うことは適切ではない」といった考え方を示している。
グリーンシート市場は、米国のピンクシート市場等を参考に、日本におけるベンチャー向け資本市場となるべく、平成9年に制度が設けられた。早16年近くが経過したが、ここ10年は銘柄数が減る一方であり、現在はエマージング12銘柄、オーディナリー20銘柄の計32銘柄が上場するに過ぎない。TOKYO PRO Marketも伸び悩んでいる中、マザーズ・ジャスダックより下に位置する市場としての株主コミュニティ制度への期待は大きい。
(情報提供:日本IPO実務検定協会)
情報提供:上場.com