定款とは
・株式会社定款事例集(会社法対応版)
定款は会社の基本的事項を記載した内部的自治法規です。 発起人会で話し合った内容に基づき、定款を作成します。下記にWEB上で入手できる主な株式会社の定款事例を集めました。
- 「定款記載例」日本公証人連合会
- 「株式会社設立登記申請書(取締役会設置会社の発起設立)」法務局
- 「株式会社設立登記申請書(取締役会非設置会社の発起設立)」法務局
・定款の記載事項
- 絶対的記載事項
この記載を欠いた定款は無効であり、設立無効原因になります。
これには次の6項目があります。- 目的(会社法27条1号 )
- .商号(会社法27条2号)
- 本店の所在地(会社法27条3号)
- 設立に際して出資される財産の価額又はその最低額(会社法27条4号)
- 発起人の氏名又は名称及び住所(会社法27条5号)
- 発行可能株式総数(会社法37条1項)
- 相対的記載事項
定款への記載が無くても定款は無効になりませんが、定款に記載しないと、その事項の法的効力が認められない事項を相対的記載事項(会社法29条)といいます。
会社法では定款自治の拡大により、相対的記載事項が増加しました。
主なものとして、次の事項があります。- 変態設立事項に関する定め(会社法28条)
- 株式の内容についての定め(会社法107条2項)
- 種類株式の定め(会社法108条2項)
- 株主名簿管理人を置く旨の定め(会社法123条)
- 株式譲渡承認に関する別段の定め(139条1項)
- 特定の株主からの自己株式取得時における売主追加請求権排除の定め
(会社法164条1項) - 相続人等に対する売渡し請求に関する定め(会社法174条)
- 単元株式数の定め(会社法188条)
- 単元未満株主の権利の制限に関する定め(会社法189条2項)
- 非公開会社における株主割当てによる募集株式発行に関する定め
(会社法202条3項) - 募集株式申込者に対する割当てに関する別段の定め(会社法204条2項)
- 株券を発行する旨の定款の定め(会社法214条)
- 非公開会社における株主割当てによる募集新株予約権発行に関する定め
(会社法241条3項) - 株主総会における定足数の定め(会社法309条1項2項)
- 各種機関設置の定め(会社法326条2項)
- 取締役・監査役・会計参与の任期に関する定め
(会社法332条1項2項、334条、336条2項、) - 累積投票の不採用の定め(会社法342条1項)
- 取締役の業務執行権に関する別段の定め(会社法348条1項)
- 会社の業務執行の決定に関する別段の定め(会社法348条2項)
- 取締役会の決議省略に関する定め(会社法370条)
- 非公開会社における監査役の監査範囲の限定の定め(会社法389条)
- 執行役の任期に関する定め(会社法402条7項)
- 取締役等の責任免除に関する定め(会社法426条1項)
- 社外取締役等の責任限定契約に関する定め(会社法427条1項)
- 剰余金の配当等を取締役会が決定する旨の定め(会社法459条1項)
- 株主の権利の制限に関する定め(会社法460条1項)
- 会社の存続期間・解散事由の定め(会社法471条1号2号)
- 公告の方法に関する定め(会社法939条1項)
上記は会社法上で定められている相対的記載事項ですが、株主に重大な影響があるため会社法に定めがなくても、定款に記載しなければ効力を認められないと解されている事項もあります。
それには次の事項があります。- 剰余金の配当請求権の除斥期間の定め
- 株主総会における議決権行使の代理人資格を株主に限定する定め
- 任意的記載事項
絶対的記載事項及び相対的記載事項以外で定款に記載した事項を任意的記載事項といいます(会社法29条)。定款に記載するか否かは自由ですが、記載した以上は拘束力を持ちます。
主なものとしては、次の事項があります。- 事業年度の定め
- 定時株主総会の招集時期の定め
- 株主総会の議長の定め
- 取締役・監査役の員数の定め
- 取締役会の招集権者の定め
会社法では定款作成の自由度が大幅に広がりました。特に将来のIPO(株式公開・上場)をお考えの皆様は、定款の記載事項により会社法上の規律も大きく変わりますので、必ず専門家にご相談下さい。当事務所では電子定款を作成します(詳細は当事務所まで)。
新会社法による会社設立手続(発起設立)の流れについてはこちらをご覧ください。
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