このほど、滞納者から税務署が差押えた財産を換価するときの公売の見積価額の決定に関する取扱いを国税庁が改正しました。その内容について、広く国民から意見を求めています。
(本文)
今回の改正は公売に付される財産の見積価額の決定に関するものだけに、無視できないものがあります。
主な改正事項としては、「公売財産の評価等に関する解釈の明確化」として見積価額の決定に当たって、価格形成要因に市場性減価や公売特殊性減価を適切に反映させるといった取扱いが盛り込まれました。「公売特殊性減価」とは、高等裁判所の判決に従ったもので、基準価額のおおむね30%程度の範囲内で減価するとしています。
公売には通常の売買と異なる特有の不利な要因として、「滞納処分のために強制的に売却されるため、いわば因縁付財産であり、買受希望者にとって心理的な抵抗感があること」や「公売財産の買受人は、瑕疵担保責任を追及することができず、また、原則として買受け後の解約、返品、取替えをすることができない上、その財産の品質、機能等について買受け後の保証がなく、税務署長は公売した不動産について引渡義務を負わないほか、公売手続に違法があった場合は一方的に売却決定が取り消されること」といった特殊性があります。高裁は、その特殊性を考慮したわけです。
また、複数回にわたって公売に付しても入札がなく、これ以上公売に付しても入札が見込まれない場合は、国税徴収法の規定にある差押えの解除に該当するとされました。
資産家の遺産相続でよくある相続分の売買について、このほど国税庁が、不動産取引で認められている登録免許税の軽減措置は適用できないという見解を示しました。法務省の照会に答えたものです。
(本文)
不動産取引で「売買」を登記原因とする土地の所有権の移転の登記に係る登録免許税の税率は、原則として1,000分の20とされています。しかし、現実には、租税特別措置法で「平成23年3月31日までに登記を受ける場合は、1,000分の10」などの軽減税率が適用できることになっています。
この措置法の趣旨は、あくまでも土地取引の活性化等を目的として登録免許税を軽減をするもので、その対象となる「土地の売買」とは、土地そのものを売買の目的とする場合に限られると法務省では考えていました。
この措置法の趣旨は、あくまでも土地取引の活性化等を目的として登録免許税を軽減をするもので、その対象となる「土地の売買」とは、土地そのものを売買の目的とする場合に限られると法務省では考えていました。