横浜市が実施している「定額給付金の市への寄附」について、このほど、東京国税局が寄附をした横浜市民に所得税の寄附金控除の適用を認めました。
横浜市は、今年5月から政府が景気対策として実施している定額給付金について、受給申請と同時に、横浜市への寄附を募っています。寄附する定額給付金の使い道については、(イ)若者の雇用確保のための支援 、(ロ)高齢者の安全確保のための支援 、(ハ)配偶者からの暴力によりシェルター等に保護された女性や子ども、児童福祉施設に入所している子ども、障害者地域作業所の製品販売、日本語の不自由な外国人の生徒の学習などへの支援、(ニ)使いみちは横浜市におまかせ―の4つから市民が選択する方式です。
しかし、総務省の「定額給付金給付事業費補助金交付要綱」によると、定額給付金は、申請者に対して給付することが要件とされているため、定額給付金と寄附金を相殺することができない形になっています。そこで、横浜市では、定額給付金を寄附しようとする受給者である世帯主の手続負担を軽減するために、世帯主に代わって「特定非営利活動法人市民セクターよこはま」(以下、NPO法人)に代理受領してもらうことにしました。
問題は、定額給付金を寄附した世帯主が所得税の寄附金控除を適用できるかどうかでした。そこで、横浜市は、NPO法人を介して横浜市へ寄附する行為が寄附金控除の対象となる「国又は地方公共団体に対する寄附金」として取り扱ってよいかどうかを東京国税局に照会していたわけですが、それに対してこのほど同国税局が「ご照会に係る事実関係を前提とする限り、貴見のとおりで差し支えない」と回答しました。
(社)全国地方銀行協会が要望していた「地方公共団体が発行する地方税の納付書様式の統一」について、政府の規制改革推進室の要請を受けて総務省が検討を始めました。
じつは、「地方公共団体が発行する地方税の納付書様式の統一」については平成18年4月に総務省が、全国の地方公共団体に留意通達を出すなどの対応を行っています。また、平成19年6月22日に閣議決定された「規制改革推進のための3か年計画」においても、地方公共団体あてに様式例を提示して早期統一の実現へ向けた努力を継続するとされました。
しかし、その後は、納付書様式の早期統一に向けた有効な措置が取られておらず、納付書様式の統一化はまったく進んでいません。同協会の調べでは、全国の1,089の地方公共団体の指定金融機関を地方銀行が務めていて、年間約1億7,000万件もの地方税を窓口で収納しています。しかも、同協会の試算では、地方税の納付書様式は、全国で約4万7,000種類にものぼると推計されていて、こうした状況が納税者や地方公共団体、金融機関に多大な負担の要因の一つとなっているとしています。
政府と総務省では、地方税の徴収体制の強化と納税者の利便性向上を目的として、地方公共団体に対して電子納付やコンビニ収納などの施策を奨励していますが、同協会では「その施策を推進するためにも、金融機関やコンビニで共通で使用でき、しかも、電子納付の実施や地方公共団体の内部事務の効率化に役立つ納付書の規格・様式の標準化が不可欠だ」と強調しています。
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