政府税制調査会(首相の諮問機関、香西泰会長>が11月28日に総会を開き、平成21年度税制改正の答申をとりまとめて、麻生太郎首相に提出しました。
今回の答申では、制度上の改正を伴う「相続税」「国際課税」「固定資産税」の3項目にとどめ「所得税」「法人税」などは盛り込んでいません。
その3項目の中で一番注目されているのが、相続税に関する主張です。まず現行の相続税の課税方式については、「同じ額の財産を取得しても税額が異なる可能性があること」、「一人の相続人等の申告漏れにより、他の共同相続人等にも追徴税額が発生すること」、「居住等の継続に配慮した現行の各種特例は、現行方式のもとでは、居住等を継続しない他の共同相続人等の税負担をも軽減する効果があるため、これらの特例の拡充は課税の公平面での不平等の増幅につながること」―といった問題点がありました。
これについて同調査会では、新しい事業承継税制の導入に伴う課税方式の見直しを中心に議論を行ったところ、「現行方式を見直し、本来の遺産取得課税方式に改めることによって、各人の相続税額が、取得した財産に基づき、他の共同相続人等の財産取得や税務申告の状況に左右されずに算出される方式とすべきである」とする意見もあれば、現行の方式について「相続税の総額が遺産総額と法定相続人数等により一義的に定まり、遺産分割のされ方に対して中立的である」と肯定的に評価する意見も出たことから「幅広い国民の合意を得ながら議論を進める必要がある」と無難にまとめています。なお、相続税の負担水準については、相続税の資産再分配機能が低下していることから基礎控除や税率構造を見直し、さらに議論を深めるよう要請しています。
日本経済団体連合会の御手洗冨士夫会長が平成21年度税制改正に対して、省エネ製品への支援税制に自動車や家電製品を加えるよう強く要望しています。
政府税制調査会(首相の諮問機関、香西泰会長)が平成21年度税制改正に関する答申を麻生太郎首相に提出し、いよいよ来年改正の議論が正念場を迎えていますが、このほど手洗会長が記者会見で「与党税調などで省エネ住宅への税制支援措置などが議論されているが、住宅のみならず、自動車や家電製品などについても、省エネ製品への買換促進税制を検討すべきである。これらの措置は、CO2の排出削減が課題となっている民生・運輸部門の取り組みに資するとともに、内需喚起にも結びつく。経済と環境の両立が期待できる税制だと思う」と語りました。経済対策などでは、影響力のある日本経団連会長の言葉だけに、来年度税制改正議論に大きな影響があることが予測されます。
与党の税制調査会で議論されている省エネ住宅に関する支援税制とは、高断熱窓、高効率設備、太陽光発電等を備えた高性能の省エネ住宅の普及に向けたもので、経済産業省が要望している所得税の住宅ローン控除の拡充措置です。対象となる省エネ設備をローンを組んで購入した場合、そのローンの年末残高の1.2%を10年間税額控除できるよう要望していて、控除対象限度額は3,300万円とされています。
一方、御手洗会長が主張した省エネ製品への買換え促進税制については、環境省が税制改正要望の中で「省エネ家電の普及促進税制の創設」として、エアコンディショナー、電気冷蔵庫について、トップランナー基準を満たすものを購入した場合、その額の5%相当額を買換えた年の所得税額から控除できるようにすることを求めています。
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