6月14日、午前8時43分に発生した岩手・宮城内陸地震では、現在200人を超える人たちが避難所生活を余儀なくされていますが、このほど、国税庁が、被災者へ向け国税の支援措置を発表しました。
国税は申告納税制度をとっているため、納税者からの主体的な申告が重んじられています。そのため、災害などで財産を喪失した人については、自ら申告を行うことが困難な場合が少なくありません。今回の岩手・宮城内陸地震についても、国税庁では被災者らの税務申告・届出などが難しいと想定される人が多数出ていると判断した模様です。そこで、国税庁では、いち早く被災者らに国税に支援措置があることをPRし始めました。
例えば、地震により申告・納付などが法定期限までにできないときは、所轄の税務署長に申請し、その承認を受けることにより、その理由のやんだ日から2ヶ月以内の範囲でその期限が延長されます。また、地震などの災害により、財産に相当な損失を受けた場合や、国税を一時に納付することができない場合には、所轄の税務署長に申請し、その承認を受ければ、原則として1年以内の範囲で納税の猶予を受けることができます。
期限の延長だけではありません。地震などの災害によって、住宅や家財などに損害を受けたときは、確定申告による所得税の雑損控除か、または、災害減免法に定める税金の軽減・免除のどちらか有利な方を選んで所得税の全部又は一部を軽減することもできます。
消費税については、所轄税務署長の承認を受けることにより、災害などが生じた日の属する課税期間から簡易課税制度に切り替えるか、または、簡易課税制度の適用をやめることができます。
国税庁が今年3月までの1年間に発生した税務署への異議申立て、国税不服審判所への審査請求、税金裁判の状況を公表しました。それによると、源泉所得税に関する不服申立てが大幅に減少しています。
税務署による課税処分に不服がある場合、原則として、まず税務署長へ異議申立てを行い、その審議結果に納得できない場合は国税不服審判所に審査請求書を提出します。そして、審判所の裁決にも不服があるときは、裁判所に提訴するという段階を踏まなければなりません。
国税庁がこのほど公表したのは、平成19年度中の納税者からの不服申立て状況に関する結果です。今回の特徴は、源泉所得税の異議申立てが前年度よりも4割も激減していることです。
これは前年度が、配偶者特別控除の廃止や住宅ローン控除制度の縮減、定率減税の廃止などで異議申立ての件数(185件)が急増したことが理由として挙げられます。それに輪をかけて、平成19年度では、国から地方への税源委譲により住民税の負担が重くなり、不満をぶつける対象が住民税に移ったことから、源泉所得税に関する異議申立て件数が117件にとどまったため、前年度よりも大幅に減ったわけです。
今回の公表されたデータの概要を見てみると、異議申立ての発生件数は4,690件で、源泉所得税に係る事案が減少しましたが、全体的に増加し、前年度と比べると9.0%増えています。審査請求も、発生件数が2,755件で、相続税・贈与税、徴収関係に係る事案などが減少しましたが、全体的に増加し、前年度と比べて10.0%増えました。しかし、訴訟については、発生件数が345件で、法人税、消費税が増加していますが、全体的に減少し、前年度に比べると14.0%減少しています。


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