このほど、タックス・ヘイブンに指定しているカリブ海のケイマン諸島から、税逃れを企てている日本の企業や個人の情報を取り寄せるときのその関連税目が決まりました。
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タックス・ヘイブンとは、海外からの投資や企業進出を呼び込むために、法人税などの税率をゼロまたは低水準に設定している国のことです。日本からみれば、国内企業がタックス・ヘイブンへ転出してしまうと、これまで入ってきていた税収が外国に流出することになるため、租税特別措置法で法人税率が25%以下の国をタックス・ヘイブンに指定し、国内の法人税率との差額分を追加課税してきた経緯があります。しかし、主権の壁があり、現実的にはタックス・ヘイブンにある国内企業や個人の情報入手は困難を極めているのが現状です。
カリブ海のケイマン諸島もそのタックス・ヘイブンに指定されている国のひとつで、平成20年12月、ケイマン政府は外国税務当局からの要請に基づく情報提供を可能とする国内法を制定。平成21年3月、日本もその情報提供対象国の一つに選定されました。以来、ケイマン税務当局と日本の国税庁が対象税目の確認などの準備作業を進めてきたわけですが、このほど、情報提供要請の実施手続が整い、日本の国税庁はケイマン税務当局に対して所得税、法人税、相続税、贈与税に関する情報提供要請が行えるようになりました。
平成22年度税制改正関連法が国会で成立したことを受け、全国の自治体が地方税法の改正に伴う税制関係条例を公布しました。特に大阪府では、ガソリン税の暫定税率の見直しについて府民に注意を呼びかけています。
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揮発油(レギュラーガソリン)や軽油には、いわゆるガソリン税が課税されますが、平成22年度税制改正では、そのガソリン税に上乗せされている暫定税率が一定の条件のもとで維持されることになりました。
その一定の条件を講じた措置とは、揮発油の「平均小売価格」の変動に応じて、「軽油引取税の税率の特例規定」の適用停止・適用措置と呼ばれるものです。
現在、「軽油引取税の税率の特例」については、当分の間、1キロリットルにつき3万2,100円とされていますが、揮発油の平均小売価格が、3ヶ月連続して160円を超えた場合は、「その旨を財務大臣が告示した月の翌月の初日から軽油引取税の税率が1キロリットルにつき1万5,000円になる」としています。一方、揮発油の平均小売価格が、3ヶ月連続して130円を下回った場合は、「その旨を財務大臣が告示した月の翌月の初日から軽油引取税の税率が1キロリットルにつき3万2,100円になる」という仕組みになっています。
政権与党の民主党は、昨年8月の衆議院選挙でガソリン税の暫定税率廃止をマニフェストに謳っていましたが、結果的には暫定税率を維持しました。しかも、ガソリンの小売価格の変動で税率が変わるという複雑な形にしたことから、大阪府では府民が誤解しないよう今回の措置の内容について周知徹底を図っています。