政府税制調査会(政府税調、会長=菅直人財務大臣)の企画委主査の峰崎直樹財務副大臣が、1月21日の記者会見でガソリン税などの暫定税率について環境税が創設されたら廃止する意向を示しました。
民主党は昨年8月の衆議院選挙に掲げたマニフェストで「ガソリン税、軽油引取税、自動車重量税、自動車取得税の暫定税率は廃止して、2.5兆円の減税を実施する」としていました。しかし、昨年12月に政府が決定した平成22年度税制改正大綱では、財源不足を理由に暫定税率維持を表明。
そして、政府税調が今年第1回目の会合で、その暫定税率について3カ月間、1リットルあたり160円を上回ると、暫定税率分(1リットルあたり約25円)を減税し、その後、3カ月間、130円になれば、課税を再会するトリガー税制とすることを決めています。同時に環境税の導入を検討することも決定したわけですが、問題は、暫定税率を維持しながら環境税を導入するとなると、明らかに公約違反になるということでした。
この問題について記者から質問された峰崎財務副大臣は「私は余り長くこの制度(暫定税率のトリガー制度)は続けない方がよいのではないかと思っている。環境税で暫定税率問題についても一定の方向性が出たら、これはやはり、ある意味では解消するというか、した方が私はよいと思っている」と回答しました。平成22年度税制改正法案の立法作業をしている政府税調の企画委事務局長の古本伸一郎財務大臣政務官も「そもそもそういったもの(暫定税率)が別途リセットして、何か環境税、温暖化対策税というものにモデルチェンジをした暁には、恐らくこの議論は収斂していくと思う」とホンネを漏らしました。
社団法人日本自動車工業会(自工会、会長=青木哲本田技研工業株式会社代表取締役会長)が、昨年中に売れた3トン以下の4輪自動車の総販売台数の61.4%がエコカー減税対象車だったことを明らかにしました。
自工会によるとエコカー減税がスタートした昨年4月から12月までに売れた減税対象車は、1,950,362台だったとしています。同期間に売れた3トン以下の4輪自動車の総販売台数が3,179,044台だったことから、販売された自動車の61.4%を減税対象車が占めたことになります。
エコカー減税がスタートした昨年4月の減税対象車の販売台数は113,723台で総販売台数の42.5%でしたが、12月には減税対象車が246,766台も売れて総販売台数の71.5%を占めました。一方、減税の種類別に9ヶ月間の販売台数を見てみると、免税対象車は322,570台(総販売台数に占める割合10.1%)で、75%軽減対象車は894,946台(28.2%)、50%軽減対象車は732,846台(23.1%)となっています。
なお、エコカー減税とは、排出ガス規制に対応した自動車について自動車取得税、自動車重量税を減税している制度です。具体的には、車両総重量3.5トン以下の平成21年自動車排出ガス規制に適合している自動車(クリーンディーゼル乗用車)は、「自動車取得税」と「自動車重量税」が免税になります。また、低排出ガス車認定制度により「平成17年基準排出ガス75%低減レベル(★★★★)」を受けているもので、かつ「平成22年度燃費基準+25%」以上を達成している自動車は、「自動車取得税」と「自動車重量税」が75%減税、「自動車税」が概ね50%減税(翌年度適用)されます。さらに、低排出ガス車認定制度により「平成17年基準排出ガス75%低減レベル(★★★★)」を受けているもので、かつ「平成22年度燃費基準+20%」「平成22年度燃費基準+15%」を達成している自動車は、「自動車取得税」と「自動車重量税」が50%減税、「自動車税」が概ね25%減税(翌年度適用)されることになっています。