財務省の藤井裕久大臣が同省内で開かれた大臣就任後初の記者会見で、地球温室効果ガス削減を目的としているエコ減税について、今年度で取り止めることを表明しました。
エコ減税の代表的なものは、エコカー減税とエコ・アクション・ポイントです。エコカー減税とは、燃費がよく排気ガスの少ないエコカーを対象としたもので、その対象となる自動車を購入すると自動車取得税と自動車重量税が排出ガス基準に応じて50%から100%減税となる制度です。また、エコ・アクション・ポイントは、温暖化対策型の商品を購入したりサービスを受けたときなどに付与され、貯まったポイントで様々な商品・サービスとの交換や電子マネーなどとの交換などができるというものです。
このエコ減税により活気を取り戻しつつある自動車業界や家電業界から、来年度以降のエコ減税継続の要望書が政府に相次いで提出されているわけですが、このほど財務大臣に就任した藤井氏は、9月17日に行った記者会見で「経済の状況が不安定なのは間違いないです。それはなぜかというと、反動的に悪くなったのが戻っているだけなんです。それは在庫投資です。在庫投資というのは在庫が非常に大きくなったのがようやくはけてきたわけです。(中略)その上にエコ減税もあります。私はエコ減税は良いことだと思っていますよ。しかし、それは一時的なんです。来年はもうやめるんです」と語りました。
民主党主導の鳩山政権スタートにともない、政府税制調査会の立場が大きく改変されることになりました。毎年行われる税制改正の立案から大綱決定まですべての権限を持つ組織になります。
自民党が政権を握っていたこれまでは、首相の諮問機関である政府税制調査会の役割というと、税制の基本的なあり方を調査し、審議して答申をまとめることにあり、実際には財務省主税局が税法の立案作業を行っていることから “財務省の隠れ蓑”とマスコミなどから揶揄されていました。しかも、毎年の税制改正大綱の決定権は自民党税制調査会にあり、首相の諮問機関でありながら税制改正への影響力はほとんどありませんでした。
自民党税制調査会の幹部は、様々な業界団体と繋がっていて、その業界団体に有利な制度がいくつも創られてきたために現状の複雑怪奇な税法になってしまったといわれています。
税法は国の収入を確保する重要な法律です。それが一政党のひと握りの国会議員によってあやつられてきた悪しき風習に、このほど民主党はメスを入れることにしました。民主党税制調査会を廃止し、税制改正の決定権を政府税制調査会に一本化。その新しい政府税制調査会は財務省に置き、会長には財務大臣が就任し、副会長にも財務省の副大臣が起用されることになっています。そして、審議する委員は民間人ではなく、各省の政務官が充てられます。財務省の大臣と副大臣が調査会を直轄することで「政治主導」を鮮明にすることにしたわけです。なお、中長期的な税制の在り方を助言する専門家委員会を税調の外に設置することも検討されています。
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