このほど、政府が平成21年度の予算案を決定しましたが、税の執行のために国税庁および全国の国税局、税務署へ配分される国民の税金は7,204億5,600万円で、要求額よりも196億2,700万円低い金額となりました。
国税庁の予算の中で大きな比重を占めている「情報化経費」には、税務調査のときに活用されるデータや国税の徴収管理データの処理を一手に行なう国税総合管理(KSK)システム関係経費や国税庁情報ネットワーク運用経費が含まれています。この情報化経費には474億4,500万円が投入されることになりました。これは国税庁の要求額よりも55億2,700万円低く、前年度よりも7億500万円低い額です。
予算の主要項目の中で、前年度よりも増額となったのが「納税者利便向上経費」と「税制改正関係経費」でした。納税者利便向上経費には、国税電子申告・納税システム(e-Tax)運用経費や電話相談事務の集中化に必要な経費、ITによる納税者への情報提供及び簡便な申告書作成手続きの提供経費などが含まれているわけですが、この経費として138億4,700万円が投入されることになっています。国税庁の要求額よりも30億9,100万円差し引かれていますが、前年度よりも12億9,300万円増えました。税制改正関連経費は、取引相場のない株式等に係る相続税の納税猶予制度の創設や住宅税制の延長及び拡充に対応する経費として21億6,900万円が投入されることになりました。この経費は、要求時点では税制改正の内容が不透明だったことから明示されていなかったものです。前年度よりも1億200万円アップしています。
東京国税局が相続税を申告する人に便利なチェックシートを配布しています。申告書を作成するときに、一般的に誤りやすい事項についてチェックポイントがまとめられています。
東京国税局が配布しているのは、平成20年分の相続税の申告の際に活用するチェックシートです。相続人の種類や遺産分割があった場合の必要書類、不動産や有価証券、現金・預金、生命保険などの相続財産の把握、相続時精算課税の適用財産の洗い直しや生前贈与財産の加算などについて見落としがちな点について呼びかける形で解説しています。
特に、相続財産の中の不動産については、よくトラブルが発生することから、チェック項目も数多く記されています。具体的には「未登記不動産はありませんか」や「共有不動産はありませんか」、「先代名義の不動産はありませんか」、「他の市町村に所在する不動産はありませんか」といったチェックを呼びかけています。一方、中小企業経営者の相続を想定して、非上場株式に関する相続税評価に注意を呼びかけています。例えば「法人資産として計上されていない借地権はありませんか」や「法人の受取生命保険金を資産計上していますか」、「繰延資産を資産計上していますか」、「準備金、引当金を負債計上していますか」、「死亡退職金を負債計上していますか」といったことを取り上げています。
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