2008年6月までの1年間(平成19事務年度)に全国の税務署・国税局が実施した相続税調査の結果を国税庁が公表しました。それによると、海外に資産を移して相続税を逃れる手口による申告漏れが過去最高となっています。
今回の相続税調査の対象時期は、平成17年中と平成18年中に発生した相続を中心として実施したものです。総調査件数は1万3845件(対前事務年度比98.5%)で、このうち申告漏れ件数は1万1884件(同98.5%)でした。申告漏れ割合は85.8%で、前事務年度と同じ割合となっています。
申告漏れ課税価格は4119億円(対前事務年度比101.0%)で、これを申告漏れ1件当たりで見てみると、3466万円(同102.5%)となっています。また、追徴税額は941億円(同100.2%)で、これを申告漏れ1件当たりで見てみると792万円(同101.7%)でした。
今回の相続税調査で国税当局は、海外に資産を移すなどして相続税を逃れる事案を集中的に洗った模様です。407件(対前事務年度比111.8%)に対して調査が実施されていて、そのうち、申告漏れがあったのは334件(同114.4%)でした。申告漏れ課税価格は308億円(同208.0%)と高額で、国税庁も「過去最高の申告漏れ課税価格だ」と説明しています。なお、申告漏れ1件当たりの金額は9227万円(同181.8%)となっています。
平成20年分の所得税の確定申告において国税庁では、電子申告システム(e-Tax)とe-Taxヘルプデスクの受付時間を拡大することにしています。
e-Taxは、会社や自宅のパソコンからインターネットを通じて国税の申告・納付ができる国税の電子申告システムです。通常は、土日祝日を除く月曜日から金曜日の平日午前8時30分から午後9時の間だけ申告データの送信が可能とされていますが、この送信可能時間について、国税庁では、平成21年1月19日(月)から3月16日(月)まで24時間に拡大することにしています。
なお、1月19日は、午前8時30分から利用でき、3月17日の0時を過ぎて受信した平成20年分の所得税確定申告データは、確定申告期限後に提出されたものとなるので注意が必要です。
一方、e-Taxヘルプデスクの受付時間についても、通常は土日祝日を除く月曜日から金曜日までの午前9時から午後5時までとされていますが、平成21年1月19日(月)から3月16日(月)までは土日祝日を除く月曜日から金曜日と、2月22日と3月1日の日曜日の午前9時から午後8時については、受付けることにしています。e-Taxヘルプデスクとは、e-Taxの利用開始のための手続やe-Taxソフト及びその利用のためのパソコン操作などに関する問い合わせに電話で対応する専門窓口として設置されているものです。e-Taxヘルプデスクは、ナビダイヤル(0570で始まる電話番号)を利用すれば、全国どこからでも市内通話料金で利用できる便利なものです。
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