このほど、自民・公明の与党が平成21年度の税制改正大綱を決定しましたが、公明党が自民党に持ちかけていた自動車重量税・自動車取得税の免除・軽減措置は無事に盛り込まれています。
自動車重量税などの免除・軽減は、道路特定財源の中にある暫定税率を維持しながら一般財源化する見返りとして、公明党が自民党に話を持ちかけていたものです。結果として、自民党が公表した平成21年度税制改正大綱では「環境性能に優れた自動車への取得・継続保有に係る負担を時限的に免除・軽減する」という名目で措置が設けられました。
自動車重量税は、道路特定財源のひとつで本則0.5トンにつき2,500円(暫定税率込みで6,300円)とされている車検時にかかる国税です。また、自動車取得税も道路特定財源のひとつですが、こちらは購入時にかかる税金で本則取得価格の3%(暫定税率込みで5%)とされている地方税です。
今回の免除・軽減措置の内容は、自動車重量税と自動車取得税ともに「電気自動車」「一定の排ガス基準値を満たす天然ガス自動車」「プラグインハイブリッド自動車」「一定の排ガス基準値を満たすハイブリッド自動車」「平成21年排ガス規制に適合等したディーゼル自動車」については、平成21年から同24年4月まで免除するとされています。
平成19年分と平成20年分の所得税の確定申告にのみの適用できることになっている所得税の電子申告控除の適用期限が2年間延長されました。
自民・公明の与党が決定した平成21年度税制改正大綱によると「電子証明書を有する個人の電子情報処理組織による申告に係る所得税額の特別控除制度の適用期限を2年延長する」とされています。この制度は、平成19年度税制改正で導入されたもので、通称「電子申告控除」と呼ばれているものです。そもそも同控除は、電子政府の推進のため、国及び地方自治体に対するオンライン申請等を行う際に必要な電子証明書等(住民基本台帳カード+公的個人認証サービスに基づく電子証明書、ICカードリーダライタなど)の取得を税制面で支援するために創設されたものでした。
ただし、同制度の仕組みは、平成19年分又は平成20年分のいずれか1回、その年分の所得税の確定申告書の提出を、納税者本人の電子署名と電子証明書を付して、提出期間内にe-Tax(国税庁の電子申告システム)を利用して行う場合に、所得税額から最高5,000円(その年分の所得税額を限度とします。)の控除を受けることができるというものです。税額控除は、平成19年分又は平成20年分の所得税について、いずれか1回だけ適用できるとされていることから、すでに平成19年分の所得税で利用した納税者は今後適用できない可能性があります。これについては、平成21年度税制改正法案の中で明らかになる予定です。
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